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2009年3月30日 (月)

お寺の御札を印刷 2

今回は御札の印刷で難しかった部分の話。

Photo_3 1_2
この御札の黒と黄色の縁取りをしている銀の線。
黒の周りは1pt(約0.35mm)、黄色の周りは2pt(約0.7mm)の銀の線。

黒や黄色は、この銀の線の真ん中に入る大きさになっている。
線の太さの中にベタ色が入れば良く、0.3mmまでずれても良い。
しかし同じように4色があり、一度ずれたら全て同じずれにしなければならない。

理論的には可能だが、実際はきっちり銀で抑える事はほぼ無理。
ほとんどはベタ色がはみ出し、反対側は線と重ならない。
そうならないためにはきちんとした位置合わせが必要。

その位置合わせの方法。

2_2 3_2
各ベタ色を印刷する前に、先に線を別な紙などに印刷しておく。
銀でも良いし、見やすいように黒でも良い。
これを数枚用意しておき、その上にベタ色を印刷する。

4_2 5_2
出来るだけ線の真ん中に入るように微調整しながら印刷する。

6_2 7_2
この青は0.1mmほど右にずれているので調整。
と、このように5色を印刷し、その上を銀の線が各色を抑えていれば成功。

この0.1mmに対する精度の高い印刷は、その日の内に終わらせるのが望ましい。
なぜなら、紙は湿度で伸縮するから。

晴れた日に工程の途中で終わり、次の日が雨だったりすると紙は伸びる。
逆に雨の日に途中で終わり、次の日が晴れだと紙は縮む。
こうなれば、どこか必ず合わないところが出てくる。

今回は200枚ずつ2回に分けて印刷した。
最初の200枚はその6工程に8時間、2回目は7時間でミスは無し。
休み時間も取らず、根を詰めての作業はまた、職人冥利に尽きるものだった。

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コメント

これほどまで御苦労があったとは… です。

あらためまして、本当に良い仕事をして頂きました。
感謝しております。

投稿: 普門院 | 2009年3月31日 (火) 20時25分

普門院様
この度はありがとうございました。

苦労は苦労ですが、ここが腕の見せ所です。笑
私も本当に満足できる仕事でした。

投稿: シーガルハウス | 2009年4月 1日 (水) 09時06分

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